これから運営を開始する駐車場の「稼働率」を事前に算出する方法

これから運営を開始する駐車場の「稼働率」を事前に算出する方法コインパーキング
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これからご自身でコインパーキング運営による土地活用をしてみようと考えておられる方にとって、「一体どのくらい収入が見込めるのか?」は、最大の懸念事項だと思います。

そして、駐車場収入を計算するにあたって、必要かつ重要な項目の一つが「稼働率」です。

「稼働率」とは?

コインパーキングの稼働率は各駐車スペースの占有率で計算されます。

「稼働率=1日に駐車されていた時間÷24時間」

駐車場内のすべてのスペースの稼働率を平均したものが、その駐車場全体の総稼働率となります。

ある時間における駐車スペースの占有台数合計を、収容台数で割って算出される数字を用いる、という方法もあります。

稼働率が分からなければ、そのコインパーキングでどのくらいの売り上げが見込めるのか計算ができません。

でも、これからコインパーキングを作るんだから、出来てもいないコインパーキングの稼働率なんてわからないよ!!」って思いましたよね?

1%単位までの正確な稼働率を、あらかじめ知ることは人間誰にもできません。

ですが、ある程度の数字なら算出できる方法があるんです。

それを今回はお伝えしたいと思います。

必要なもの・・・「足」と「時間」

足で調べる

結論からいうと、運営を予定しているコインパーキングの「稼働率」を知る方法とは、予定地周辺の他社コインパーキングや月極駐車場を「自分の足で歩いて調べること」なんです。

「なんだ、ガッカリ」と思われましたか?

確かに手間と時間がかかる点はデメリットかもしれません。

でも、この方法はコインパーキング運営会社に勤務している私も実践しているものです。

今現在の客観的な稼働率を算出できるので売上予測を立てやすい、周辺地域の状況や交通量、他の駐車場の立地やレイアウトを、自分の目で確認して比較・参考資料にすることができる、といったメリットがあります。

では、具体的な方法について進めていきたいと思います。

あらかじめ準備しておくもの

  • ・地図(グーグルマップやヤフー地図をプリントアウトしたものでOK)
  • ・ボールペン、記録用紙(メモ用紙)、カメラ
  • ・メジャー(5.5m位のものが使いやすくてオススメ)

・地図は縮尺1/1500(ゼンリン住宅地図がこの縮尺です)が個人的には使いやすく感じています。

あらかじめグーグルマップの「航空写真」を用いて、予定地周辺の駐車場をチェックし、地図にマーカーで印を入れておくと、現地に行ったときに効率よく回ることができるのでオススメです。

・記録用紙は、私はこんな感じのものをエクセルで作成して使っています。

稼働率算出表

作成が面倒なら白用紙に必要事項だけ記入してもOKです。あとで計算が必要なのであまりゴチャゴチャ書き込まないようにしましょう。

・メジャーは予定地に接している道路や歩道の幅を測ったり、他の駐車場で気になる部分があれば計測したりするときに使います。

準備ができたら現地に行ってみましょう

調査は複数回おこなった方が、より正確な稼働率を算出できるようになります。

「普段は仕事があるからなかなか時間が取れない」という方もいらっしゃるでしょうが、それでも平日1日と日曜日の計2日は現地に行くことをお勧めします。

一概には言えないですが、ビジネス街に近ければ平日の稼働が高く、日曜日の稼働は低くなります。
反対に商業施設が多い地域は土・日・祝日の稼働が高くなります。
飲食店が多い地域だと夜間稼働率も上がります。

それぞれの地域状況に応じた稼働率の変化を知るためにも、複数回現地に足を運んで情報をより多く集めたほうが、合理的な判断をしやすくなると思います。

現地に着いたら、予定地に一番近いコインパーキングから調査開始

1、コインパーキング名、収容台数、料金体系を記入

大手コインパーキング会社だと近隣に複数個所コインパーキングを運営している場合があるので、地図と表にナンバリングして区別するか、駐車場名の「○○パーク ○○町第1」まで記入するなどして、混同しないようにしておきます。

同様に月極駐車場についても、収容台数と、管理会社に電話して月極賃料と、聞き出せるなら契約空き台数を確認して記入します。

「コインパーキングをするのに月極賃料を調べるのはナゼ?」と思われるかもしれません。

調査が終わって、開業を予定しているご自身のコインパーキングの売り上げを計算して行った際に、コインパーキングでは初期投資分を含めると収支が合わないので、月極で運営、または月極とコインパーキングを併用して運営する、といったケースがあるからです。

2、在車のナンバープレート番号と駐車料金を記入

駐車しているクルマの、ナンバープレート番号を控えます。

次に精算機を操作して、駐車しているクルマの現時点での駐車料金を控えます。

最近は駐車料金のほかに入庫時間も表示する精算機が増えてきていますので、できれば記入しておきます。

これらは稼働率の計算には特に必要ない項目ですが、入庫時間が分かると、ご自身のコインパーキングでの料金設定を決める時に、とても役に立つ参考資料となるからです。

例えば昼間の時間帯最大料金を設定するとした場合、朝の入庫時間が多い時間帯を開始時間に持ってきて利用者の利便性に配慮する、といったことができるようになります。

あとは周辺のコインパーキングや月極駐車場すべてで、同じ手順を繰り返していきます。

さらに、この調査を1~2時間おきに行って、各コインパーキングの一日の利用状況をまとめていきます。すると下のような表が出来上がります。

稼働率調査表2

ちょっと見辛くて申し訳ないですが、こんな感じで稼働状況と稼働率が把握できるようになっています。

あとはこの表を使って、ご自身のコインパーキングの稼働率予測を行い、売上予測へとつなげていくのですが、その方法については後日書きたいと思います。

まとめ

この調査方法は労力と時間を使うので「面倒だなぁ。」と思われた方がほとんどかと思われます。

ですが、この2つを使えば使うほど、算出される稼働率の数字は正確になっていきます。

駐車場規模によっては、10%の稼働率の差で毎月十万円以上の収入差が生まれる場合もあるので、失敗を避けるためにも、できるだけ正確な数字を算出して、ご自身のコインパーキングに反映していただきたいと思います。

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この記事を書いた人
くにお

コインパーキングと機械式駐車場の管理をしています。記事もこれらを書いていきますが、時々脇道に逸れます。干支5周目に突入して、体力の衰えと、世界に対する感受性の衰えを痛感しています。最近は案件調査と作図の仕事が増えたので、ドロー系ソフトとCADソフトの勉強をしています。いずれはこちらも記事にしたいので、頑張ります。

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