コインパーキング経営は、アパートやマンションなどの建物をたてて土地を活用する方法と比較して、少ない初期費用と準備期間で始められる「ハードルが低い土地活用」であるため、検討をされておられる方もいらっしゃるかと思います。
一括借り上げの場合は、運営会社が初期費用や運営コストを負担してくれますが、自主運営の場合にはそれらを全てご自身で負担することになります。
そうすると自主運営でコインパーキングの経営をするにあたって、初期費用と毎月の運営コストを併せて一体どれくらいの費用が必要なのか気になりませんか?
じつはコインパーキング運営には、結構、費用が必要なんです。
コインパーキングにはアスファルト舗装や機器設置にかかる「初期費用」と、駐車場がオープンしてから必要になる「運営コスト」があります。
それぞれが幾らくらい必要になるのか、以下のモデルケースを例に見てみましょう。
土地面積 200㎡
ロック板設置台数 10台
初期費用
精算機 1基 600,000円
ロック板 10台 1,200,000円
雨よけテント、電飾看板、料金案内看板 各1セット 600,000円
照明器具(テント、案内看板用) 40,000円
1次側電源引き込み工事 150,000円
設置工事費 600,000円
舗装工事 800,000円(㎡/4,000円~)(歩道の切り下げ工事が必要な場合、別途300,000円~)
ライン工事 60,000円(1車室/6,000円~)
計4,040,000円
3年償却の場合 1,346,667円/年→112,222円/月
5年償却の場合 808,000円/年→67,334円/月
収容台数が30台以上あるような駐車場の場合、ゲート式も選択肢に入ってきますが、こちらは精算機・発券機等の機器一式の購入費用が5,000,000円~となります。
運営コスト
固定資産税
所得税
電気代 3,000円/月
保守管理費(外注の場合) 30,000円/月
計33,000円/月~
毎月の支払額は何円?
初期投資と毎月の支出合計
3年償却の場合→145,222円/月~
5年償却の場合→100,334円/月~
となります。
どうでしょうか?結構な金額の支出だとおもわれませんか?
初期投資額を3年償却でおこなう場合には、毎月の運営コストと併せて、最低でも毎月150,000円の売り上げがなければ、赤字経営となってしまうんです。
また他にも、万が一駐車場設備の不具合によって、駐車車両が破損したり、利用者がけがをした場合の補償をしてくれる「施設賠償保険」。
精算機荒らしや駐車場設備への当て逃げ等を保障してくれる「動産保険」に加入した場合は、それらの保険料により毎月の支出額が増えます。
上記の「保守管理費」は、自宅と経営するコインパーキングとが近い場合、集金・清掃といった日常業務は空き時間にご自身で行い、専門知識がないと難しい機器のメンテナンスとトラブル時の対応のみを運営会社に委託すれば、運営コストの削減ができます。
「狭小地、変形地でも大丈夫」は本当に大丈夫なの?
コインパーキング運営・管理会社のH.Pでよく見かける上記の文句。
私個人的には、変形地は面積があって、設置台数が多く取れるのであれば大丈夫だと思いますが、狭小地は自主運営には向かないと思っています。
理由は設置できる台数が少なく、短期間での初期費用の回収が難しいから。です。
設置できる台数が少なくて、安くなるのはロック板購入費だけです。精算機や看板にかかる費用は同じです。そうなると350万円の初期費用を10台で回収するのと、2台で回収するのではしんどさが全然違いますよね。
もちろん立地によって当てはまらないこともありますが(私が知っている中には、設置2台で月250,000円を売り上げている狭小駐車場もあります)狭小地は自主運営するよりも、運営会社に一括借り上げをしてもらうほうが良いと思います。
まとめ
土地を更地のままで放っておいても、固定資産税はかかってしまいますから何か運用をしようと考えるのは当然のことです。
駐車場にすると固定資産税は構造物扱いの減税措置が取られますし、収入も毎月入っていきます。
コインパーキングは、立地が良ければ相当な収益を上げることができます。
ですが初期補用の回収が終わるまでは、毎月の支出額は結構なものになります。
赤字経営とならないために出費を踏まえたうえで、ご自身のコインパーキング予定地が「充分な収益を上げられるのか?」をしっかりと調査・検討していただきたいと思います。
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