立体駐車場の高さ制限って少しぐらい超えても大丈夫?余裕なし?

立体駐車場の高さ制限って少しぐらい超えても大丈夫?余裕なし?立体駐車場
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こんにちは、しょう(@syo5_maint) です。

都心部で車に乗ってると駐車スペースが立体駐車場になることが多いですよね?

立体駐車場は平面駐車場と比べ駐車車両に色々と制限があって面倒です。特に高さ制限がひっかかり駐車を断られるケースが良くあります。

この高さ制限ですが、ほんの数ミリ超えていて使えない時など実際には大きめの余裕を取って制限してるので少しぐらい大きくても駐車出来るんじゃ?って思っていませんか?

このあたりの疑問を、20年以上立体駐車場業界に携わってきた私が、高さ制限の仕組みや実例を使って解説していきます。

立体駐車場の高さ制限は絶対に守る必要がある

立体駐車場の高さ制限は絶対に守る必要がある

結論から言ってしまうと

立体駐車場の高さ制限は絶対に守る!!」です。

自動車を運転して駐車場を利用する人はルールをしっかり守る必要があります。平地の平面駐車場と違って立体駐車場は、入庫する車両の制限が設けられています。

立体駐車場の場合、文字通り立体的に車両を駐車していく為、車両の上に青空が広がっているのでは無く別の車両が立体的に駐車されることになります。

特に機械式立体駐車場の場合は「高さ、前後、左右」すべてにおいて、出来るだけ沢山の車両を入庫出来るように機械装置によって効率的並べられていきます。

なので、駐車場の設計段階で、車両のサイズや重量など制限が設けられます。

このように、しっかりとした理由があって「高さ制限」が設定されていますので、利用する場合は必ず守るようにしてくださいね

とはいっても、多少は余裕もってるので少しぐらいオーバーしてても大丈夫なのではと思う方もいると思います。

確かに制限には余裕をもっています。また物理的には多少の制限オーバーでも問題なく利用できる場合があります。

ですが、何度も言いますが「高さ制限は守って下さい

これらの入庫車両の制限を守る最大の理由は、物理的に入庫できる・出来ないではありません。

万が一、事故が発生した場合の責任問題がどのようになるかなのです。

自分の車に傷が付くぐらいなら、あまり気にしなくても良いかもしれませんが、機械式立体駐車場で大きな事故を発生させてしまった場合、高額な賠償責任を負う可能性があります。

高級車両を数台巻き込んで、駐車装置にも損傷を与えるような大きな事故が発生すると、数千万円の賠償を負うケースもあります。

このような理由から

立体駐車場を利用する場合は、必ず高さ制限は守って下さい!

しょう
しょう

少しぐらいなら大丈夫だと思ってしまうんですよね。物理的に入るか入らないの問題ではありません。

万が一の時、その責任を問われるかが大きな問題です。

立体駐車場の高さ制限は一定の余裕は取ってある

立体駐車場の高さ制限は一定の余裕は取ってある

立体駐車場の高さの制限には一定の余裕(マージン)をとっています。

だからといって、少しぐらい制限をオーバーしても良いわけではありません。

立体駐車場では、高さだけでなく「幅、長さ、重量」などあらゆる制限に余裕をとっています。

これらの余裕は「揺れ」「誤差」「衝撃」などを見込み計算されています。特に機械式立体駐車場では「センサーの誤差」「揺れや振動」「制動距離」などもっと慎重に設定されています。

一般的に機械式駐車場を利用されている方は見たことが無いと思いますが、機械装置が作動中は、車両のサスペンションの反動も有り、車体が1~2cm程度は揺れています。

仮に余裕を無視して「ギリギリ」の車両を入庫した場合は、これらの揺れにより車体が接触破損してしまいます。

このようなことが起こらないように、さらに安全性を確保するために、余裕(マージン)が設定されているのです。

なので、重複になりますが、余裕があるからと言って、たとえ少しであってもと制限をオーバーしてはいけません。

安全センサーだけを過信してはいけない

安全センサーだけを過信してはいけない

立体駐車場など高さ制限を設定している所では、大体は事前にチェック出来るように安全確認装置が備わっています。

  • 自走式駐車場なら入り口に「のれんのようなもの」
  • 機械式駐車場なら光電ビームセンサー

これらの装置を使って

自走式なら「のれん」に車体が触れたたら制限を超えている。

機械式なら「センサー」が感知したら制限を超えている。

このように入庫する車両の高さをチェックしています。

実はここに、若干ですが余裕とその順番があります。

実際に入庫出来るサイズ > 安全装置サイズ > 入庫制限サイズ

当たり前の話ですが、安全装置の位置をここに設定しないと、その機能をはっき出来ないことになります。

例えば「安全装置サイズ」の位置が前後と入れ替わったとすると、安全装置は大丈夫だったけど車両が接触して破損してしまったり、入庫制限内なのに安全装置に触れてしまうなどの現象が起こります。

なので、安全装置の設置する場所は「実サイズと制限サイズの間」になります。

何が言いたいのかと言うと

安全装置をギリギリの状態でクリアした場合は「入庫制限」を超えている場合がある

また、稀ですが光電ビームセンサー等の電子機器は「誤作動、故障」などによって正確に動作していない場合があります。

このような理由から安全装置をクリア出来ていれば安全に入庫出来るという考え方はやめた方が良いです。

しょう
しょう

車の運転で良く言われてる「だろう運転」「かもしれない運転」と同様に思ってるほうが安全ですね。

センサーが付いてるから大丈夫だろう」では無く「センサーが故障してるかもしれない」と考える方が安全ですね。

高さだけではダメ!「車長、車幅、重量」もしっかりチェック

高さだけではダメ!「車長、車幅、重量」もしっかりチェック

実際の駐車場では「高さ制限」を大きく強調して表記している所が多いため「高さ制限」だけ守らなければと思っているドライバーが多いですが、それだけではダメです。

車両情報
  • 車両の高さ
  • 車両の長さ
  • 車両の幅
  • 車両の総重量
  • 車両の形状

このように立体駐車場では様々な項目に制限が設けられている場合があります。

これまでの説明で「高さ、長さ、幅」に制限があるのは理解出来るけど、重量や形状って関係ないんじゃ?って思いますよね?

実は、これが凄く大事なんですよ。

立体駐車場はもちろんですが、特に機械式の場合は非常に大事な項目になります。機械式の駐車場の場合、ドライバーが車両を停車させた後に機械装置が車両の移動を行います

この時、移動を行うのが電動式のモーターですが、このモーターはどんなに重たいものでも動かせるわけでは有りません。動かせる重量に制限があるのです。

なので「車両重量」ではなく「車両の総重量」の制限が非常に大事になってきます。

次に車両の形状についてですが、一部の駐車場機器では車両を四角い立方体として認識するのでは無く、セダンの車両の形で認識している駐車場が存在します。

この場合、いわゆる車のボンネットとトランクの上部は、何も無いと判断されており、その部分を機械装置が接近したり通過するようになっています。

このような駐車場に、車両形状を無視して「ワンボックスカー」や「ステーションワゴン」を入庫してしまうと車両と機械装置が接触して大事故を起こしてしまいます。

なので立体駐車場に入庫する時は、高さ制限だけでは無くその他の項目もしっかり確認しましょう。

入庫制限チェック項目
  • 車両の高さ
  • 車両の長さ
  • 車両の幅
  • 車両の総重量
  • 車両の形状

簡単確実、車両情報の確認方法

ここまで、立体駐車場に車両を駐車させる場合は、制限を守ることがとても大事だという話をしてきました。

実はここで意外な事実があるのです。

自分が毎日乗っている「マイカー」の、車両情報を正確に把握しているドライバーは、殆どいなくて極僅かです。

おそらくこの記事を読んでいる方も、車両の高さぐらいは覚えているかもしれませんが、「幅」「長さ」「総重量」を正確な数値でと言われると、答える事ができる人は少ないと思います。

では、その正確な車両情報はどのようにして確認するのかと言うと

簡単で確実な方法は、すべての車両に積む事が義務付けられている「自動車検査証」通称(車検書)にきっちりとした正確な数値が記載されています。

このように自動車検査証を確認することで、正確な車両情報を知ることができます。

この車両の場合
  • 車両の高さ  1,860㎜
  • 車両の長さ  4,770㎜
  • 車両の幅   1,740㎜
  • 車両の総重量 2,155kg
  • 車両の形状  ステーションワゴン

無断で大掛かりな改造をしていない限り、ここに記載されている数値は正確な車両情報となります。

しょう
しょう

私自身も、自分の車の車両情報を正確には覚えていません。

管理者の承諾を得ている場合は利用可能

管理者の承諾を得ている場合は利用可能

さて、ここまで立体駐車場にある入庫制限は、何がなんでも絶対に守る必要があると説明してきましたが、実は多少の制限オーバーを容認している場合があります。

え?今までとまったく真逆の事言ってると思わるとかもしれませんが、実際のところは結構見かけます。

車両の制限を緩和するために、駐車場装置の改良を行っている事もありますし、余裕部分をギリギリまで広げているところもあります。

物理的に入庫することが出来るサイズであれば、最終的には万が一なにか起こった際の責任をどのようにするかですので、管理者の承諾がある場合は利用することは可能となります。

まとめ

立体駐車場の入庫車両の制限についての話でしたが、いかがだったでしょうか?

基本的には、車両の制限は必ず守る必要がありますが、管理者や所有者の責任において若干の緩和を行っている場合があります。

マンションなどの駐車場で、どうしてもその場所に駐車するしかなく車の買い替えまで検討されている場合は一度、管理責任者に相談してみてはいかがでしょうか?

立体駐車場
この記事を書いた人
しょう

このサイトの管理者をやってる「しょう」と申します。アラフォーですが好奇心旺盛な永遠の5歳児です。建設会社、不動産会社、サービス業の企業経営陣として活動してますが、低学歴の叩き上げで頑張ってきた為、いくつになっても日々「努力と勉強」の毎日を送っています。なのでこれらの経験を生かして誰かのお役に立てれば良いなと思っています。

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