こんにちは、しょう(@syo5_maint)です。
街中でよく見かける「通称コインパーキング」ですが、実は機械装置やシステムの違いによって、色々な種類があるのはご存知でしょうか?
駐車場の利用者はあまり気にする人はいないと思いますが、運営や管理をする方はどのシステムを導入するか頭を悩ましているのでは無いでしょうか?
そこで今回は、数あるシステムのうち「ゲート式とフラップ式」について、大きな違いと、選定する際は何を基準に検討すればよいのかを解説致します。
この記事を書いている私は
20年以上1,000件を超えるコインパーキング企画に携わってきました。
言い方を変えれば
1,000件以上のコインパーキングシステム選定を行ってきた事になります。
この記事を読むことで
機械メーカーの言いなりになることが無くなり
ご自身で最適な駐車場システムを選定する事が出来るようになると思います。
それでは、いってみましょう!
ゲート式とフラップ式駐車場の違い
ゲート式とフラップ式と言われても
一般的に駐車場を利用する方はあまり気にしたことは無いと思います。
ですが駐車場を運営する立場から見ると
提供できるサービスやコスト・売上に関わってくる大きなポイントとなるので重要となります。
まずはゲート式とフラップ式の特徴を簡単にご紹介します。
ゲート式システム
ゲート式駐車場とは
駐車場の出入口にあたる箇所にゲートを設置し入出庫に制限をかける駐車システムです。
基本的に大規模な駐車場で採用されており、大型のショッピングモールなどで良く見かけると思います。
駐車場の出入口にのみ駐車場装置を設置するため、駐車台数に関係なく1台のゲート装置で管理することが出来ます。
フラップ式システム
フラップ式駐車場とは
それぞれの駐車スペースに対して1台づつ入出庫を制限させるフラップ式というロック板を設置します。
街中にある10台程度の駐車場に多いシステムです。
一般的にこれをコインパーキングと呼ばれてるケースが多いですね。
基本的に1車室に対して1台の機械装置を設置しますので、駐車台数に応じて導入コストが掛かってくる事になります。
ゲート式は駐車台数が減少します
ゲート式とフラップ式で比べると
殆どの場合においてゲート式では駐車台数が少なくなってしまいます。
それはゲート式装置の特性によるもので、理由は2つあります。
このような理由により、フラップ式と比べると3〜5台程度駐車台数が少なくなる事が多いです。
ゲート式の方が幅広い運用が可能
フラップ式精算機は、一般的な時間貸し駐車場を想定し制作されているため、出来ることが限られています。
一方でゲート式精算機は、時間貸しだけでなく、大規模な駐車場やホテル、商業施設などの管理を想定し制作されているので、幅広く柔軟な運用が可能となっています。
例えば
このように、様々な設定が可能となっています。
駐車場を管理する上で思いつくことは概ね対応出来るかと思います。
各システムの導入金額の違い
ゲート式とフラップ式の説明のところでもお伝えしましたが、双方の駐車システムの違いにより、導入するための初期投資金額が大きく異なります。
ゲート式システムは、駐車台数に関係なく1台のゲート装置で管理することができます。
フラップ式システムは、駐車スペースごとに機械装置を設置するため、駐車台数分の機械装置を設置しなくてはいけません。
例えば
「収容台数10台と100台の駐車場」にそれぞれのシステムを導入するとした場合。
ゲート式では、10台でも100台でもシステムの導入費は同じです。
設置工事込みで 「約400万円」
フラップ式では台数により設置内容が変わります。
10台では工事込みで 「約180万円」
100台では 「約1,300万円」
このように、収容台数によってはシステム導入金額に大きな違いが発生します。
フラップ式のロック板を100台を設置する工事。考えただけで「ゾッとします」
駐車場の利用状況や台数で判断すればよい
コインパーキングを運営設計しているプロは、何を基準に判断しているのか?
まず第一に「駐車台数」です。
台数に応じてシステム導入金額が大きく変わってきますので、当然ながら最初の判断基準となります。
ちなみに私の個人的な判断基準は
「20台以下、35台以上」を一つの目安にしています。
20台以下にゲート式システムを採用しないし
35台以上にはフラップ式を採用しないようにしています。
絶対に100%ということはありませんが
導入費用的にはこのあたりが妥当な基準となるはずです。
過去に69台をフラップ式で設置したり
15台のゲート式を設置したことはありますけど😅
次に駐車場の運用方法により判断します。
フラップ式では出来る設定に限りがありますので、運用方法によってはゲート式を採用しないと利用できない場合があります。
時間貸しだけでなく
月極駐車場の併用や
店舗の利用客のための駐車場であれば
ゲート式を採用するほうが柔軟な対応が出来るようになります。
このように、それぞれの駐車場に合わせたシステム設計を行うのが重要となってきます。
まずは「台数」で判断して
「駐車場の利用方法」に合わせてベストなシステムを検討してみましょう。
その他の方式
ゲート式とフラップ式の解説をしてきましたが
その他にもいくつかのシステムがありますので、簡単に紹介します。
ロックレス
名前の通りに「ロック装置」が存在しないタイプの駐車場です。
物理的な出庫制限をしないで、カメラ等で逃げないように監視するシステムです。
事前精算機
精算機だけが設置されており、利用した時間の管理を行わないで定額制のものが主流です。
道路に設置されているパーキングメータのような感じですね。
一日定額で○○円など
オンラインシェアリングサービス
スマホやPCからオンラインで駐車予約をして利用するシェアリングサービスです。
などが有名ですね。
コインパーキング専門会社の意見を参考にする
これまで判断基準を紹介しましたが
それでもゲート式かフラップ式か悩んだ場合は
プロである「コインパーキング専門会社」の意見を参考にしてみましょう。
検討している駐車場について
一括借上を視野にいれてコインパーキング業者に依頼してみましょう。
見積り金額と同時に、導入されるシステムなども提示されると思います。
見積り金額が良ければ、そのまま貸しても良いかもしれませんね。
ここで一つ注意してほしい事があります。
間違っても「駐車場機器販売会社」の意見は参考にしないようにしましょう。
すべての業者がそうではありませんが
駐車場に合った提案ではなく、自社の利益率が高いシステムを提案してくる業者さんがいます。
どちらにせよ
業者の意見は参考程度にして
ご自身で最適な駐車場システムを選定出来るようになるのが一番です。
ゲート式とフラップ式についてのまとめ
ゲート式とフラップ式の駐車用システムの違いや選定する際の基準について解説してきましたが、如何だったでしょうか?
システム導入金額の違いによって20台以下か35台以上の場合は、概ね決まってしまいます。
また、駐車場の運用方法によってはゲート式を選定する必要があります。
どうしても判断に悩んでしまった場合は、コインパーキング業者の意見を参考にしましょう。
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