こんにちは、しょう(@syo5_maint)です。
機械式の駐車場に限った事ではありませが「機械式装置」には定期的な保守点検と故障時に修理依頼出来るように保守(メンテナンス)会社と契約するのが一般的です。
マンションの理事役員になった知人から、先日次のような相談・質問を受けました。
エレベータと立体駐車場の維持管理費用を削減する案があって「独立系とメーカー系」どっちが良いのかな?やっぱりメーカー系の方がしっかりしてて安全なの?
現在、どちらかと言えば独立系の保守会社をやっている私に、その質問する?ってのは置いとくとして
同じような事で悩んでいる
「マンションの理事会の方」や
「機械式駐車場を管理してる方」もいると思います。
メーカー系と独立系のどちらも経験して来た私がその質問にお答え致します。
この記事を読むと「独立系とメーカー系」で悩むことは無くなると思います。
また、保守(メンテナンス)会社を決めるためのポイントなども合わせてお伝えしたいと思います。
間違いなく「独立系のPOG契約」です!というのは【ウソ】
維持管理費用の削減を検討してるのだったら
それは間違いなく「独立系でPOG契約」するのが正解です。
なんだったら、私が低価格で最高の保守サービスをやって上げるので当社と契約すれば何も心配いらないよ。
と言うのは冗談ですが
実はこの内容は半分正解で半分間違いです。
というのも保守費用を削減する事だけが目的であれば「独立系」が圧倒的に安いですので正解です。
「立体駐車場 メンテナンス 独立系」などでググれば、独立系の保守会社が検索結果位に出てくると思います。上から順番に複数社に見積り依頼して、その見積内容を各社に公表すれば最安値の保守メンテナンス会社と出会えると思います。
費用の削減だけが目的なのであれば
これ以上読み進めるメリットが無いと思いますのでここで記事を閉じて下さい。
保守費用についてはもちろん「独立系」の方が安いですが、「メーカー系」の会社にも当然価格交渉を行うことにより保守費用を下げる事は出来ます。
ですので
ここでは「保守費用」について一旦置いておいて
技術力や保守に関する質について独立系と比べてメーカー系が安心で優れているのかなどを中心に解説して行きたいと思います。
一般的に独立系の方が価格は安いですね。ですが最近では交渉次第ではメーカー系でも独立系の価格と同等の値引きに応じてくれる場合もあります。
なので価格だけで決めてしまうのは間違ってますよ。
独立系とメーカー系とは【簡単に解説】
保守メンテナンスの話になるとよく耳にする言葉で
- メーカー系でFM(フルメンテナンス)契約
- 独立系でPOG(パーツ・オイル・グリス)契約
などを聞いたこと無いですか?
「FMとPOG」については、また別の機会に説明しようと思いますのでここでは割愛します。
「独立系とメーカー系」に関しては、この記事のテーマとなっている内容なので簡単に説明致します。
メーカー系メンテナンス
メーカー系のメンテナンスとは、いわゆる駐車場機器の製造メーカーを親会社とした自社の製品に特化したメンテナンス保守企業の事です。
メーカーからの部品供給や情報提供を優先的にうけている為、問題点を事前に改善出来たり部品の手配速度は独立系とは比べ物にはならないです。
さらに大きな問題が発生した場合でも、製造メーカーの協力を得られるのも大きいです。また製造メーカーは大企業である事が多いのでその点でも信頼が高いです。
独立系メンテナンス
独立系のメンテナンスとは、メーカー系とは違い特定のメーカーに特化することなく、色々なメーカーの装置を対象とした独立したメンテナンス保守企業の事です。
技術スタッフの多くは「元メーカー系エンジニア」の方が多く、各メーカーの技術ノウハウがスタッフ同士で共有される事によりメーカー系には無い独特なノウハウが特徴です。
メーカー指定の部品に縛られないので多種多様な提案を行えますが、逆にメーカー製の部品供給を受ける場合は時間がかかる事もあります。
独立系とメーカー系を比較が間違い!重要なのは担当スタッフ【人です】
保守メンテナンスの良し悪しや品質を決めるのは会社組織では無く、現場を担当するエンジニアスタッフです。
したがって「独立系とメーカー系」のどちらが良いかと比較する事自体が間違っているのです。
つまり、より良い保守メンテナンスサービスを受けるためには、より良いエンジニアを探す事になります。
大事なのは「会社組織」ではなくて「人」だという事です。
メーカー系は費用が高いけど優秀なスタッフばかりだと思われがちですが、優秀なスタッフも入れば残念ながらそうじゃないスタッフもいます。
もちろんですが、メーカー系と同様に独立系にも優秀なスタッフとそうじゃないスタッフがいます。
例えば実際にあった案件ですが
駆動モーターのブレーキ整流器が故障した場合
通常であれば整流器の交換が必要となります。
部品の費用は数万円ぐらいだと思います。
ですがモーター及びブレーキがとても古い場合は
部品自体が製造中止となり手に入らない場合があります。
この場合
現行品に変更するために
駆動モーターとブレーキユニットとセットで交換が必要となります。
部品の費用は数十万円になり
整流器の交換に比べると10倍ぐらいの費用アップになります。
これは部品が手に入らないので、仕方が無いことなのでこの対応が一般的です。
ですがこのような場合でも技術力が高くお客様の立場になって考えれるスタッフだと「整流器を修理する」もしくは「整流器を作る」という選択肢を提案する事が出来ます。
古いブレーキユニットに使う整流器だと
単純な物が多く「ダイオードとコンデンサ」を
交換するだけで簡単に直せる事が多いですね。
この場合の部品の費用は数千円ぐらいになるでしょう。
このように故障したものを修理するだけでも「エンジニアスタッフ」によって提案される選択肢が全然違います。
なので重複になりますが
保守メンテナンスの良し悪しや品質を決めるのは会社組織では無く、現場を担当するエンジニアスタッフなのです。
とはいえ、いくら現場のスタッフが良い人であっても「会社の方針」がそうでない場合は対応が悪くなるので、やはり会社をしっかり精査する必要があると思いますよね?
会社の方針が「手間が掛かって利益が少ない手法を取るな」であれば、もちろんそうなると思います。
ですがこの修理方針を決めているのも、現場に出てるエンジニアスタッフの場合が多いです。
なのでやはり「良いエンジニアスタッフ」と出会う事がもっとも重要なのです。
あなたにとって良いエンジニアスタッフとは
機械式駐車場の保守メンテナンスにはより良いエンジニアスタッフと出会うことが大事なのはここまででお伝えしてきました。
では、良いスタッフとは一体どのような人物なのでしょうか?
これらの他にも色々なエンジニアスタッフがいます。
それぞれどのタイプのスタッフが良いとか悪いとかではなく
あなたがどのタイプのスタッフを必要としているのかがとても大事になります。
例えば私を例にあげるとすれば
私は問題が発生した時、複数の解決策を提案し依頼主と一緒にどの解決策がもっとも適しているか考え結論をだしていくタイプです。
つまり「信頼したスタッフにすべて任せる」と言うタイプの方には合わない事になります。
すべて任せておきたいのに、あれやこれや説明されて相談されるのは面倒だと思います。
そのような方には「任せておけば全てやってくれる人」が適していると思います。
このように人によって必要とするスタッフが違います。
なのであなたにとってどのようなエンジニアスタッフが一番適しているのかを考えることから始めてみましょう。
エンジニアにもさまざまなタイプの方がいらっしゃいますね。
良いエンジニアの方で共通して言えることは「みんな機械装置の事が大好き」
良いエンジニアスタッフを見つける方法とは
自分にあったエンジニアと出会うのは簡単なことではありません。
とくに「知識と技術」の高いスタッフを見分けることは素人に不可能と言っても良いぐらい難しいです。
なので良いエンジニアを見つけるためには
この2つを時間をかけて行っていくしか方法がありません。
エンジニア同士であれば1日一緒に仕事をするだけで、相手のタイプや知識、技術力は概ね把握することが出来ます。
つまりエンジニアは「たくさんのエンジニアを知っていて」「自身にエンジニアとしての技術力」があるため、相手の事がわかるようになります。
とはいえ、エンジニアでも無い素人が、たくさんのエンジニアと出会い最低限の技術力を付けるのは難しいと思われるかもしれませんが、それは難しく考えすぎています。
なにも高等技術を取得するわけではありません。
ちょっと詳しい人なら知っている程度の知識で十分なんですよ。
例えば自動車が好きな人って自分で色々整備したりしますよね?エンジンを載せ替えてトランスミッションのオーバーホールは出来なくても、エンジンオイルの交換やプラグぐらいは自分で交換出来る人はたくさんいると思います。
自動車が好きで自身で色々触る方は最低限の技術力はもちろんですが、色々な整備士の方を見てきていると思います。
このような人の多くは
- あそこの整備士は工具の扱い方が酷いな
- ここの板金屋の腕はなかなか良いな
- この修理工場は色々提案してくるな
などの色々な情報を元に自分の好き嫌いがはっきり意識されています。
これってつまり
たくさんのエンジニアを知り
自分にある程度の知識があるので
自分好みのエンジニアスタッフがはっきりしていて
そのスタッフと出会っているのです。
自動車の整備とは違い、駐車場機器の保守契約はきっちりと契約書を交わして期間の縛りもありますので、一度契約すると簡単に乗り換えれないと思いがちです。
ですが本当に良いスタッフに出会うためには、色々な企業や色々なスタッフと出会うことが大事です。
メーカー系から独立系に乗換えたとしても、良くなければ他の独立系に乗換えても良いし、またメーカー系に戻っても良いと思います。
あなた自身が「機械装置が好き」になり、興味を持つことが出来れば一番の近道なのかもしれません。しぜんと知識も得られるしエンジニアと知り合う機会も増えると思います。
まとめ
機械式駐車場の保守メンテナンスについて「独立系とメーカー系」どっちが良いのか悩むこと自体が間違っています。
問題は企業の系統がどうこうではなく、そこで働くエンジニアスタッフが自分の目的と一致しているかどうかが一番大事だと思います。
また価格を下げることだけを目的とした場合どうしても「安かろう悪かろう」の状況になりがちですので、まず自分にあったエンジニアと出会うことを一番にして値段交渉はそれから行えば良いと思います。
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